三位一体主日後第４主日
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| BWV185 | 永遠の愛の慈悲深き心よ |
| BWV24 | 飾りなき心ぞ |
| BWV185 | Barmherziges Herze der ewigen Liebe 永遠の愛の慈悲深き心よ |
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| 初演 | 1715.7.14 ヴァイマル | ||
| 再演 | 1723.6.20 ライプツィヒ、1746/7年頃 | ||
| 編成 | Soli: SATB | Chor: SATB | Oboe (d'amore), Violino I/II, Viola, Continuo |
| 歌詞 | Ｓ．フランク １７１５ | ||
| 福音書章句 | ルカによる福音書 6,36-42 | ||
| 書簡章句 | ローマの信徒への手紙 8,18-23 | ||
| 概説 | 合唱は最後のコラールだけ、冒頭も合唱曲やシンフォニアでなくデュエットのアリアで始まるという小規模な室内楽カンタータです。 ヴァイマルの中頃の作品ですが、このすぐ後にヨーハン・エルンスト公子が亡くなったため、ザクセン＝ヴァイマル公国は３ヶ月の喪に服すことになります。この時期にはカンタータの演奏が禁止されましたが、公子が留学から持ち帰った協奏曲を鍵盤楽器に編曲するなど関わりの深かったバッハが葬送音楽を作ったかどうかはわかりません。 このカンタータの内容は、当日の福音章句と密接な関係を持っています。実質的にはほとんどが「人を裁くな」の章からとられた歌詞は、各楽章とも該当章句や関係する箇所の内容を忠実になぞり、まず自らの反省を繰り返し求めていきます。 冒頭のデュエットだけは前節と関連しており、神の慈悲によって自らも慈悲深い者となりたいという願いがカノン風の展開で歌われます。デュエットの途中でオーボエが終結コラールの旋律を演奏しながら入ってきて、最初と最後の楽章を関連づけることによって全体を統一しています。楽譜には歌詞が記入されているのですが、これは後代の加筆のようです。 |
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| 感想など | テルデック（アーノンクール）盤はいきなりボーイソプラノの唐突な入りで驚かされます。テンポも少し速くメリハリがつきすぎてせわしない感じです。テーマが「慈悲」なので、日本人の感覚からするともっとしっとり聞かせて欲しいと思ってしまいます。 新しい全集のほうはどちらもシチリアーノのゆったりした感じで演奏しています。デュエットに絡むコラールは、コープマン盤のみ歌詞付きで演奏しています。コラールに対する現代の聴衆の理解力からすると歌詞があった方がいいかも知れませんが、礼拝が盛んだった当時のライプツィヒでは歌詞が必要だったかどうか、また実際に歌詞付きで演奏されたかどうかは疑問ですが。 締めくくりのバスのアリアやコラールはどれも説得力があり良い演奏でしょう。 全体で見ると、やはり新しい全集盤の方がレベルの高い演奏をしています。ＢＣＪ盤は少し優しい演奏（特に第５曲）、コープマン盤は情緒的な演奏（特に第１曲）が印象的です。 |
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| 曲名 | 編成 | 演奏時間 | |||
| TEL | BCJ | TK | |||
| 1 | Barmherziges Herze der ewigen Liebe | Duetto(ST) | 2'56 | 3'17 | 4'05 |
| 2 | Ihr Herzen, die ihr euch | Recitativo(A) | 2'03 | 2'04 | 1'58 |
| 3 | Sei bemüht in dieser Zeit | Aria(A) | 4'40 | 4'29 | 3'43 |
| 4 | Die Eigenliebe schmeichelt sich | Recitativo(B) | 1'00 | 0'59 | 1'11 |
| 5 | Das ist der Christen Kunst | Aria(B) | 2'14 | 2'00 | 2'19 |
| 6 | Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ | Choral(SATB) | 1'17 | 1'11 | 1'14 |
| 演奏時間 | 14'10 | 14'12 | 14'30 | ||
| BWV24 | Ein ungefärbt Gemüte 飾りなき心ぞ |
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| 初演 | 1723.6.20 ライプツィヒ | ||
| 編成 | Soli: SATB | Chor: SATB | Clarino, Oboe I/II, Oboe d'amore I/II, Violino I/II, Viola, Continuo |
| 歌詞 | ノイマイスター １７１４ | ||
| 福音書章句 | ルカによる福音書 6,36-42 | ||
| 書簡章句 | ローマの信徒への手紙 8,18-23 | ||
| 概説 | ライプツィヒ着任後の第３作です。前２作のBWV75とBWV76は大編成で長大な２部構成のカンタータだったのですが、この作品はこぢんまりと作られています。初演当日には、牧師の説教を挟んで、すでにヴァイマルで演奏されていたBWV185も一緒に演奏されました。 通常は冒頭に置かれる合唱はこの曲では真ん中に移され、前後をレチタティーヴォとアリアで挟む珍しい構成になっています。 第１曲は「飾りのない純粋な心が、私達を神と人との前で美しくする」と歌うアルトの軽快なアリアで始まります。続く楽章も、マタイ伝から取られた「他人からして欲しいと思うことを他人に対して行いなさい」という中間の合唱曲も含めて、全体に「正しい心で生きなさい」というお説教トーンで一貫していて、他のカンタータのように罪と救済などというストーリーがないので歌詞はやや一本調子です。音楽は、２本のオーボエが同じ音域で絡み合う第５曲など充実していて、単調な歌詞とは対照的です。 最後に、各節の間に間奏を挟んだ４声のコラールが歌われます。 |
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| 感想など | テルデック（アーノンクール）盤は、全般に他の盤よりもフレーズを短めにスタッカートを多用するスタイルですが、これはこれで悪くないと思います。合唱は新しい全集に比べると少しぎこちなく感じられるかもしれません。 ＢＣＪとコープマンは、どちらも高い水準ですばらしいアンサンブルを聴かせてくれます。第１曲アリアは、私には男声アルトの方が向いているように聞こえました。 リヒターは、他の録音と同じ曲とは思えないようなこってりとした演奏です。最初のアリアも思い切りレガートでオペラを聴いているようでした。第３曲の合唱も、新全集盤がソロ４人で歌わせトゥッティとソロを対比させている中間部を全て合唱で通すなど響きの厚い演奏でした。この曲の場合はもう少し軽い方がいいと思います。 レウシンク盤は、ソロはまあまあの感じですが合唱の歌詞付けがドイツ語のアクセントになっていないところが聴こえてちょっと残念。 |
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| 曲名 | 編成 | 演奏時間 | |||||
| TEL | BCJ | TK | KR | PJL | |||
| 1 | Ein ungefärbt Gemüte | Aria(A) | 3'34 | 3'05 | 3'18 | 4'59 | 3'32 |
| 2 | Die Redlichkeit ist eine von den Gottesgaben | Recitativo(T) | 1'51 | 1'53 | 1'46 | 1'54 | 1'51 |
| 3 | Alles nun, das ihr wollet | Chor(SATB) | 3'57 | 2'49 | 2'50 | 3'14 | 3'05 |
| 4 | Die Heuchelei ist eine Brut | Recitativo(B) | 1'29 | 1'43 | 1'46 | 1'52 | 1'49 |
| 5 | Treu und Wahrheit sei der Grund | Aria(T) | 3'37 | 3'41 | 3'16 | 3'29 | 3'09 |
| 6 | O Gott, du frommer Gott | Choral(SATB) | 2'33 | 1'36 | 2'23 | 2'05 | 2'09 |
| 演奏時間 | 17'01 | 14'55 | 15'19 | 17'33 | 15'35 | ||
| ルカによる福音書 6,36-42 |
| 敵を愛しなさい あなたがたの父が憐れみ深いように、、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」 人を裁くな 「人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。 与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである。」 イエスはまた、たとえを話された。「盲人が盲人の道案内をすることができようか。二人とも穴に落ち込みはしまいか。 弟子は師にまさるものではない。しかし、だれでも、十分に修行を積めば、その師のようになれる。 あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。 自分の目にある丸太を見ないで、兄弟に向かって、『さあ、あなたの目にあるおが屑を取らせてください』と、どうして言えるだろうか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目にあるおが屑を取り除くことができる。」 |
| ローマの信徒への手紙 8,18-23 |
| 将来の栄光 現在の苦しみは、将来わたしたちに現されるはずの栄光に比べると、取るに足りないとわたしは思います。 被造物は、神の子たちの現れるのを切に待ち望んでいます。 被造物は虚無に服していますが、それは、自分の意志によるものではなく、服従させた方の意志によるものであり、同時に希望も持っています。 つまり、被造物も、いつか滅びへの隷属から解放されて、神の子供たちの栄光に輝く自由にあずかれるからです。 被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっていることを、、わたしたちは知っています。 被造物だけでなく、”霊”の初穂をいただいているわたしたちも、神の子とされること、つまり、体の贖われることを、心の中でうめきながら待ち望んでいます。 |
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