|棕櫚の主日|教会暦とバッハの声楽曲|復活祭第1日| |
BWV1 | Wie schön leuchtet der Morgenstern 暁の明星のいと麗しきかな |
||
初演 | 1725. 3.25 ライプツィヒ | BWV127 BWV6 | |
編成 | Soli: STB | Chor: SATB | Horn I/II, Oboi da caccia I/II, Violino I/II, Viola, Continuo |
歌詞 | 作者不詳 | ||
福音書章句 | ルカによる福音書 1,26-38 | ||
書簡章句 | イザヤ書 7,10-16 | ||
概説 | バッハ作品番号(BWV)のトップを飾る名作カンタータです。 1724年から1725年にかけて、コラールを中心に様々な技法を凝らして作曲されたいわゆる「コラール・カンタータ年巻」の最後の作品となります。 バッハが他のカンタータでもよく使っているフィリップ・ニコライの聖歌(1599年)のうち、第1節・第7節をそのまま第1曲・第6曲の歌詞とし、中間の曲は第2節〜第6節を書き換えて歌詞としています。 独奏ヴァイオリンとホルンとオーボエ・ダ・カッチャ(狩のオーボエ)という組み合わせで、特に第1曲目は降誕祭を先取りしたような牧歌的で穏やかな雰囲気を醸し出しています。2曲のアリアも、舞曲のような弾む調子でイエスへの感謝や喜びを表現しています。このカンタータは、全編がイエスへの賛歌になっていて特にストーリーらしいものはありません。 受難に先立つ四旬節は、斎戒期として一般的に慶事や派手なことは禁じられていました。ライプツィヒでもこの時期はカンタータの演奏が禁止されていましたが、マリアのお告げの祝日はその唯一の例外でした。 |
||
感想など | 録音年代の早いテルデック盤もリヒター盤もなかなか良い雰囲気です。初期カンタータと違い、ライプツィヒ時代のこのような晴れやかなカンタータは少し大きめの編成でも良い響きが出せるようです。 あえて言えば、リヒター盤は現代の耳には少し響きが厚すぎるのと、テルデック盤(アーノンクール)は中心となって活躍する管楽器が少し弱いところが残念といえば残念。 コープマン盤は、今のところ私の好みに一番近い演奏で、第1曲コラールの各フレーズの終わりを自然に消えるようにまとめ、軽やかなテンポで舞曲のように聴かせます。ただ、1曲目のコラール旋律に施した装飾は少しやりすぎのような気がします。 レウシンク盤は、第1曲のテンポが少し速すぎて落ち着かない感じです。しかし、この曲をパストラーレの先取りとして捉えればその感想になりますが、最も小さな編成のため特に目立つヴァイオリンを「輝く明星」の表現と考えれば、これでもいいような気がしてきます。 |
曲名 | 編成 | 演奏時間 | ||||
TEL | TK | KR | PJL | |||
1 | Wie scöhn leuchtet der Morgenstern | Chor(SATB) | 9'34 | 8'00 | 7'55 | 7'18 |
2 | Du wahrer Gottes und Marien Sohn | Recitativo(T) | 0'55 | 1'02 | 1'01 | 1'09 |
3 | Erfüllet, ihr himmlishen göttlichen Flammen | Aria(S) | 5'07 | 4'06 | 5'00 | 5'21 |
4 | Ein ird'scher Glanz, ein lieblich Licht | Recitativo(B) | 0'55 | 0'55 | 1'19 | 1'00 |
5 | Unser Mund und Ton der Saiten | Aria(T) | 7'18 | 6'44 | 6'09 | 7'05 |
6 | Wie bin ich doch so herzlich froh | Choral(SATB) | 1'31 | 1'19 | 1'45 | 1'15 |
演奏時間 | 25'20 | 22'06 | 23'09 | 23'08 |
ルカによる福音書 1,26-38 |
イエスの誕生が予告される 六ヶ月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。 ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。 天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」 マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。 すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。 あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。 その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。 彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」 マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」 天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。 あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女といわれていたのに、もう六ヶ月になっている。 神にできないことは何一つない。」 マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去っていった。 |
イザヤ書 7,10-16 |
インマヌエル預言 主は更にアハズに向かって言われた。 「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方に。」 しかし、アハズは言った。 「わたしは求めない。 主を試すようなことはしない。」 イザヤは言った。 「ダビデの家よ聞け。 あなたたちは人間に もどかしい思いをさせるだけでは足りず わたしの神にも、もどかしい思いをさせるのか。 それゆえ、わたしの主が御自ら あなたたちにしるしを与えられる。 見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み その名をインマヌエルと呼ぶ。 災いを退け、幸いを選ぶことを知るようになるまで 彼は凝乳と蜂蜜を食べ物とする。 その子が災いを退け、幸いを選ぶことを知る前に、あなたの恐れる二人の王の領土は必ず捨てられる。 |
Copyright © 2000 Bachhaus Kawaguchi All rights reserved.